“一国一城の主”だけでは生き残れない〜チーム経営で成長するFCオーナー像〜

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福祉事業を始めるとき、多くの人がこう考えます。
「自分の想いを形にしたい」「子どもたちのために自分の手で支援をしたい」と。

もちろん、その気持ちは経営の出発点としてとても大切です。
しかし、事業を継続させ、スタッフを守り、地域の信頼を築いていくためには、“一人の力”では限界があるのが現実です。

児童発達支援や放課後等デイサービスの経営は、制度・人材・現場運営の3軸で動いています。
そのすべてをオーナー一人が背負い続けると、やがて“成長の壁”にぶつかります。

本記事では、現場の最前線に立ちながらも「チーム経営」へと進化したオーナーたちの共通点をもとに、
「一国一城の主」から「組織を育てるリーダー」へ変わるための実践的な視点を紹介します。

“現場型オーナー”の限界

1. いつまでも現場に張り付いてしまう

「子どもたちと関わるのが好きだから」「スタッフよりも自分がやった方が早い」
そんな理由で、開業後も支援現場に入り続けてしまうオーナーは少なくありません。

結果として、

  • 書類業務が夜遅くまで終わらない
  • スタッフが育たない
  • いざという時に誰も代われない
    という“属人経営”になってしまいます。

2. マネジメントに時間が取れない

現場中心で動くと、数字や仕組みの管理に手が回りません。
採用・教育・シフト・加算・請求――どれも後手に回ると、気づけば赤字。

オーナーが現場に入り続けることは、実は「経営の視野を狭める」リスクにもなります。

3. スタッフが“待ちの姿勢”になる

何でもオーナーが判断・指示してしまうと、スタッフは自分で考えなくなります。
「どうせ社長が決めるから」と、主体性が失われ、現場が停滞してしまうのです。

“チーム経営”とは何か?

チーム経営とは、「自分がいなくても回る組織をつくること」です。
単なる「人に任せる」ではなく、「理念・仕組み・責任」を共有して経営を分担するスタイルです。

児発・放デイのような福祉事業では、「人が育ち、人が支える」構造があるからこそ、チーム経営が極めて重要になります。

チーム経営の3つの柱

① 組織図ではなく“役割分担”を作る

小規模事業でも、明確な役割があることで責任と裁量が生まれます。

例:

  • 管理者:現場運営と保護者対応のリーダー
  • サブリーダー:職員育成・スケジュール調整
  • オーナー:数字・戦略・人材採用の最終判断

「誰が何を担当しているのか」を可視化し、全員で共有するだけで現場の混乱が減ります。

② 判断基準を統一する

リーダーが複数いると、方針のズレが生まれがちです。
理念や運営方針を言語化し、「うちではこう考える」をスタッフ全員で共有しましょう。

エコルドでは、

「子どもを真ん中に置く支援」
「二次障害にさせない関わり」
という明確な軸を共有することで、全国の加盟店が同じ方向を向いています。

③ 育成と評価の仕組みを作る

チーム経営の核心は、“人を育てる仕組み”です。

  • 定期的な1on1面談で目標を明確化
  • スキルと行動を見える化した評価表
  • 成長に応じた役割・給与設定

評価制度を整えることで、スタッフは「頑張れば報われる職場」だと感じ、長く働くようになります。

“オーナー=プレイヤー”から脱却する3ステップ

ステップ1:現場を「任せる覚悟」を持つ

まずは“任せる”ことに抵抗をなくしましょう。
最初は不安でも、管理者に判断を任せ、結果を一緒に振り返ることから始めます。

ステップ2:数字を把握する時間を確保する

オーナーの役割は「経営判断」です。

  • 利用者数の推移
  • 収支表・加算状況
  • スタッフ配置コスト
    これらを毎月確認し、現場の動きを数字で捉える習慣をつけましょう。

ステップ3:ミドルリーダーを育てる

管理者だけでなく、中堅スタッフに“リーダー意識”を持たせることが重要です。
「今日の活動をまとめて」「次の会議を任せてみよう」
小さな任せ方の積み重ねが、組織力を育てます。

現場が自走する組織の特徴

  1. 会議が“報告の場”ではなく“意見の場”になっている
    スタッフが自分の意見を出せる会議は、現場が成長している証拠です。
  2. 数字と理念が両立している
    「売上のため」ではなく「理念を守るために利益を出す」。
    この考え方が根づくと、現場のモチベーションが格段に上がります。
  3. オーナーが“相談される存在”になっている
    指示するのではなく、信頼されて相談されるリーダー。
    その状態が、最も安定したチーム経営の形です。

チーム経営を支えるツール

ICTの活用

支援記録、職員評価、情報共有を一元化することで、現場がスムーズに回ります。
紙文化からの脱却は、チーム経営を強化する第一歩です。

マニュアルの共有化

動画・画像・チャットでのマニュアル化が重要。
言葉より「見える支援」を仕組みにすることで、教育の属人化を防げます。

Slackやチャットツール

リアルタイムで意見交換・情報共有ができる環境は、リーダー不在時の安心材料になります。

エコルドが考える“チーム経営型FC”

療育センターエコルドでは、「一人で抱え込まない経営」を理念に掲げ、
加盟者が安心してチーム経営を築けるよう、以下の仕組みを提供しています。

  • 管理者研修・ミドル研修:階層別の育成プログラム
  • 動画マニュアルとSlack支援:現場の情報共有を徹底サポート
  • エリアマネージャー制度:複数拠点の運営を見据えた育成支援
  • 定例勉強会:全国のオーナー同士が学び合う仕組み

加盟者の声として、
「現場を任せられる管理者が育ち、2店舗目を出せた」
「Slackでの相談体制があるから、離れた店舗でも不安がない」
といった実感の声が多く寄せられています。

“理想のオーナー像”とは?

オーナーとは、現場を支配する人ではなく、現場を信じる人です。

  • スタッフの成長を見守り、機会を与える
  • 理念を軸に、判断のブレをなくす
  • 利益を守り、安心して働ける環境を整える

そのバランスを取るのが、福祉経営者のリーダーシップです。

終わりに

“子どものために”という想いから始まった事業も、継続させるためにはチームの力が欠かせません。
理念と現場をつなぐのは、人であり、仕組みです。

「一国一城の主」で終わるか、
「地域を変えるリーダー」に成長するか。

その分かれ道は、“任せる勇気”を持てるかどうかにあります。

療育センターエコルドでは、「二次障害にさせない社会をつくる」というビジョンのもと、
理念と仕組みを両立させた“チーム経営型フランチャイズ”を全国に展開しています。

「自分の理想の現場をチームで実現したい」と思う方は、ぜひ一度ご相談ください。

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nozomi nakayama

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療育コンサル中山です。 全国にエコルドのフランチャイズと業務改善クラウドシステム「EcoldLINK」を広げるため、さまざまな情報発信をしています!