経営者が現場に入りすぎると失敗する理由〜「プレイングマネージャー」の罠と経営の本質〜

児童発達支援や放課後等デイサービスを立ち上げた経営者の多くは、「子どもが好きだから」「現場経験を活かしたいから」といった動機を持っています。そのため、開業してからも現場に積極的に入り、子どもたちや保護者と直接関わることに大きな喜びを感じる方が少なくありません。
しかし、経営者が現場に入りすぎることは、事業の成長を阻害する最大の要因のひとつになり得ます。この記事では、なぜ経営者が現場に出すぎると失敗するのか、その理由と解決策を深掘りしていきます。


1. 経営者の役割とは何か?

経営者の第一の役割は「組織を持続的に成長させること」です。
現場支援そのものは大切ですが、それはスタッフの役割。経営者が担うべきは次のような領域です。

  • 資金繰りと収支管理
  • 採用・育成・評価制度の設計
  • 行政対応(実地指導・加算取得など)
  • 理念・ビジョンの発信

👉 経営者がこれらを疎かにすると、現場が一時的に回っていても、いずれ事業は行き詰まります。


2. 現場に入りすぎると起きる問題

(1) 経営判断の遅れ

現場業務に追われて、数字や経営計画を見る時間がなくなる。結果、資金繰りや制度改定への対応が後手に回り、致命的な赤字を招く。

(2) スタッフの成長機会を奪う

経営者が前に出すぎると、スタッフが「任せてもらえない」と感じ、主体性を失う。離職の原因になるケースもある。

(3) 保護者対応の偏り

経営者に直接相談が集中し、他スタッフへの信頼が育たない。結果、経営者が不在の日に保護者対応が滞る。

(4) 拡大が不可能になる

2拠点目以降を考えたとき、経営者が1店舗目に入り込んでいると、物理的に回らなくなる。

👉 経営者が「現場を助けているつもり」が、長期的には事業を弱体化させるのです。


3. 経営者が現場に入るメリットもある

もちろん、経営者が現場にまったく入らない方が良いというわけではありません。

  • 現場の空気を知ることができる。
  • スタッフや保護者との信頼関係を築きやすい。
  • 経営判断に必要な“生の情報”を得られる。

👉 ポイントは「どこまで入るか」です。適切なバランスを保つことが重要です。


4. 解決策:経営者が本来の役割に集中するために

(1) 管理者を育成する

  • 1店舗目から「管理者候補」を意識して採用・育成する。
  • 権限委譲を進め、スタッフに責任を持たせる。

(2) 数字を見る時間を確保する

  • 毎週必ず収支を確認する時間をとる。
  • キャッシュフローと人件費率を最重要指標に据える。

(3) 保護者対応を仕組み化する

  • 個人ではなく「チームで対応」する文化を作る。
  • 連絡帳やICTを使って情報を共有し、誰でも対応できる体制に。

(4) 経営と現場をつなぐ仕組みを持つ

  • 定期的に現場会議に参加し、スタッフの声を聞く場を設ける。
  • ただし、その場で“指示出し”をするのではなく、経営判断の材料として活用する。

5. 実例から学ぶ

A社(失敗例)

経営者が毎日現場に入り、支援や送迎まで担っていた。スタッフは依存的になり、管理者が育たず、2年後に拡大を断念。

B社(成功例)

経営者は開業当初から現場に入りつつも、1年目で管理者を育成。2年目からは週1回の現場確認のみにシフトし、3年目で2店舗目を成功させた。

👉 違いは「最初から役割を分けていたかどうか」です。


6. エコルド本部の視点

エコルドでは、加盟者に「経営者は現場に入りすぎないこと」を強調しています。

  • 管理者育成プログラムの提供
  • ICTシステムによる情報共有体制
  • 経営数値の見える化サポート

👉 経営者が「経営に集中する」ことで、現場と経営が健全に回る仕組みをつくります。


終わりに

経営者が現場に入ることは一見“熱意の証”に見えますが、長期的には事業の成長を妨げるリスクになります。重要なのは「現場に関わらない」ことではなく、「現場に入りすぎない仕組み」を持つこと

👉 あなたは今、現場に入りすぎていませんか? 経営者としての役割を再確認することが、事業を成長させる第一歩です。

nozomi nakayama

nozomi nakayama

療育コンサル中山です。 全国にエコルドのフランチャイズと業務改善クラウドシステム「EcoldLINK」を広げるため、さまざまな情報発信をしています!