児童発達支援や放課後等デイサービスを運営するなかで、ほぼすべての事業所が直面する悩み――それが「送迎」です。子どもや保護者にとって送迎は大きな安心材料であり、事業所選びのポイントにもなります。しかし一方で、車両維持費や人件費、事故リスクなど、経営を圧迫する大きな負担でもあります。
「送迎をやめたら利用者が減るのでは?」「でも続ければ赤字が拡大する…」
そんなジレンマに直面している経営者は少なくありません。この記事では、送迎サービスを“安心材料”にしながら、経営負担を最小化する方法を解説していきます。
1. 送迎が経営に与える影響
まずは数字で考えてみましょう。
1台の送迎車にかかる年間コストは次の通りです。
- 車両リース代・購入費(年間40〜60万円程度)
- 保険料(10〜15万円程度)
- ガソリン代(20〜30万円程度)
- 車検・整備費(10万円程度)
- ドライバー人件費(1人あたり200〜300万円/年)
👉 合計すると、1台で年間300〜400万円規模のコストがかかります。定員10名程度の事業所にとって、この負担は決して小さくありません。
さらに、送迎に関わるリスクも無視できません。
- 交通事故や接触事故
- 車内での子ども同士のトラブル
- 渋滞や悪天候による遅延
これらはすべて「保護者との信頼」に直結します。
2. 送迎をやめられない理由
「ならば送迎をやめてしまえばいいのでは?」と考える経営者もいます。しかし現実には難しいのが実態です。
- 保護者の送迎負担を軽減できる → 共働き世帯にとって送迎があるかどうかは利用の大きな判断基準。
- 学校から事業所まで距離があるケースが多い → 特別支援学級や通常学級の下校時間に合わせる必要がある。
- 競合との差別化要素 → 「送迎あり」をうたう事業所が多い中、送迎なしは選ばれにくい。
👉 経営を圧迫しても「送迎はなくせない」。だからこそ、コスト削減と安全確保を両立する工夫が求められるのです。
3. コスト削減の具体的アプローチ
(1) 送迎範囲の最適化
- 原則として半径2〜3km以内に限定する。
- 遠方利用者には「送迎協力制度」を設ける。
- 学校ごとのルートを見直し、効率化を図る。
👉 利用希望をすべて受け入れるのではなく、事業所のキャパに合わせた“線引き”が必要です。
(2) 車両台数の適正化
- 稼働状況をデータ化し、「常時必要な台数」を見極める。
- 大型車ではなく小型車を複数台持つ方が効率的な場合もある。
- 他の事業所や法人との「車両シェアリング」も検討できる。
(3) ドライバー人件費の見直し
- 専任ドライバーではなく、支援員が兼任できる体制を作る。
- 登録制アルバイトを確保し、繁忙期に対応できるようにする。
- ICTによるルート最適化で、送迎時間を短縮し残業を減らす。
(4) 維持費削減
- 法人契約による保険料の割引を活用。
- 燃費効率の良い車種への切り替え。
- 定期的な整備で大きな修繕コストを未然に防ぐ。
4. 安全確保の徹底ポイント
送迎は経営に負担ですが、万一の事故があれば事業存続すら揺るがしかねません。だからこそ「安全最優先」の仕組みが不可欠です。
(1) ドライバー教育
- 交通ルール・安全運転の研修を定期的に実施。
- 子ども特性に応じた送迎マニュアルを用意。
- ヒヤリ・ハット事例を全員で共有し改善する文化をつくる。
(2) 車両管理
- 点検表を整備し、毎日必ずチェック。
- ドライブレコーダーの設置でトラブルを記録。
- 車内カメラでの見守り体制を強化。
(3) 子ども対応
- 同乗スタッフを必ず配置する。
- 乗降時の安全確認を徹底する。
- 保護者と「送迎ルール」を共有し、協力を得る。
👉 安全への投資はコスト削減の対極に見えますが、事故による信用失墜や損害賠償を考えれば「最大のコスト削減策」といえます。
5. 利用者とのコミュニケーション
送迎は「サービス」ではなく「信頼関係を築く場」でもあります。
- 送迎時に保護者へ子どもの様子を一言伝える。
- 遅延やトラブルが起きたときは迅速に連絡する。
- 定期的にアンケートを取り、送迎への要望を吸い上げる。
👉 この積み重ねが口コミにつながり、送迎コスト以上の「信頼資産」を生み出します。
6. 実例:送迎改革で経営改善した事業所
A社(改善例)
- 送迎範囲を半径2kmに限定。
- ICTを導入してルート最適化。
- 車両2台→1台に削減し、年間150万円のコスト削減。
B社(成功例)
- 保護者に「自宅前送迎」から「集合場所送迎」への協力を依頼。
- 安全研修と車内ルールを徹底し、事故ゼロを継続。
- 保護者満足度が上がり、口コミで利用者増。
👉 経営改善はもちろん、保護者の安心感も高まった好例です。
7. エコルド本部の視点
エコルドでは、加盟者が送迎で悩まないよう次の仕組みを提供しています。
- 送迎マニュアルと安全研修
- ICTによるルート最適化システム
- 車両管理・点検の仕組み
- 保護者説明会用の資料テンプレート
👉 経営と安全を両立するには、属人的な努力ではなく「仕組み化」が不可欠です。本部の支援があることで、送迎リスクを最小限に抑えることができます。
終わりに
送迎は経営を圧迫する大きな要素でありながら、保護者にとっては欠かせないサービスです。だからこそ、**「やめる/続ける」の二択ではなく、「効率化しながら安全に運営する」**という発想が必要です。
- 範囲の最適化
- 車両・人員の見直し
- 安全への徹底投資
- 保護者との協力体制
👉 経営を守り、子どもと保護者の安心を守る。その両立こそが、送迎における最大のテーマです。エコルドは、その仕組みづくりを全力で支援します。











