■ はじめに:まさかの瞬間は、いつか必ずやってくる
放課後等デイサービスを運営していると、
「急に子どもが走り出して転倒した…」 「保護者から“怪我の説明がなかった”とクレームが…」 「送迎中に他児とトラブルになっていた…」
など、大小問わず“ヒヤリ”とする場面に遭遇します。
療育事業は人と人との関わりが中心。どれだけ丁寧に準備していても、事故やトラブルは完全には防げません。
だからこそ大切なのは、
- 起きないための備え(予防)
- 起きてしまったときの対応(初動)
- 起きた後の振り返り(再発防止)
この3つを仕組み化しておくことです。
今回は、エコルド本部が実践している視点も交えながら、「事故・トラブル」への具体的な備え方を解説していきます。
■ よくある事故・トラブルのパターン
① 転倒・接触・誤飲などの「身体的事故」
- 活動中の転倒やぶつかり
- 製作中の道具の誤使用
- 食事やおやつ中の誤飲
② 子ども同士・保護者との「人間関係トラブル」
- 他児への暴力・暴言
- 保護者からの苦情(説明不足・対応遅れなど)
③ スタッフの不適切対応・管理不足
- 過剰な叱責、雑な対応
- 記録や連絡の漏れ
- 送迎車両の破損、運転ミス
どれも、“ちょっとした油断”や“確認不足”から起こるケースが多いです。
■ 起きる前にやるべきこと=「予防の仕組み」
◎ 環境面の整備
- 危険物・死角のない動線づくり
- 活動時の児童配置と導線確認
- 送迎車の点検と安全装備の導入
◎ スタッフへの研修と声かけルール
- 叱らない関わり(PBS視点)
- 初動対応マニュアルの周知
- 毎日のヒヤリハット共有(朝礼・終礼)
◎ 保護者との“信頼貯金”
- 普段からの丁寧な報告と相談
- トラブル前から「一緒に育てる」関係構築
■ 起きたときにどうする?=「初動対応のポイント」
【第一優先】子どもの安全確保
- 怪我の程度確認と応急処置
- 必要に応じて救急車や医療機関へ連絡
【第二優先】保護者への連絡と説明
- 事実を“正確に”“すぐに”伝える
- 謝罪と今後の対応を明確にする
- 主観や言い訳を避け、冷静に報告
【第三優先】スタッフ間での情報共有
- 起きた場所・時間・関係者の記録
- 当該スタッフと関係職員での振り返り
■ 起きた後にやるべきこと=「再発防止と共有」
◎ ヒヤリハット・インシデントの記録と蓄積
- フォーマットを決めて“記録文化”を習慣化
- 定期的に共有・振り返る場(職員会議・研修)
◎ 事例集としてナレッジ化
- 過去のケースをマニュアルに反映
- 新人教育時の教材として活用
◎ 本部からのサポート(エコルドの例)
- トラブル対応テンプレートの提供
- スーパーバイザーが報告書チェック・改善提案
- 法的リスクへの顧問弁護士相談体制
■ おわりに:子どもの安全は、“想定力”で守る
事故やトラブルを「仕方ない」で終わらせてはいけません。大事なのは、
“どう防ぐか”と“どう活かすか”の視点を持つこと。
現場の一人ひとりが、「この活動で何が起こりうるか?」を日々想像することで、事故の芽は早期に摘み取れます。
そして、万が一の時に「備えていた通りに動けた」と言える体制が、 保護者との信頼、スタッフの安心、そして子どもたちの未来を守ります。
本部としても、現場に任せきりにせず、“安全と信頼をつくる仕組み”を整える支援を今後も強化していきます。











